新しい出会いに動揺したはなし
一回り年下の人に片思いをして苦しい思いをしていたのも、時間の経過とともに少しずつ薄れていった。時間というのは本当にありがたい。
でも久しぶりに誰かを好きになる経験をして、恋をする素晴らしさ、自分自身の高揚感、そして自分に余裕ができる等々のメリットを享受し、また人を好きになりたいなーと、心から思うようになった。
でもアラフォーの子持ち女なんて、誰が相手にするんだろう。相手にするのは遊び相手にちょうど良いと思っている不誠実な男。もしくは本当にお互いが恋に落ちた男。
でも、後者に出会える可能性なんて限りなく低いし、その出会いのためにお見合いパーティーに行ったり、真面目な出会い系をするのも自分好みではない。
そんなことをぐるぐると考えていると、なんだかどうでも良くなってきて、さあさあ仕事と子育てを頑張ろうというモードに自然に移行していった。
そしてまた忙しい日常に戻り、恋をすることから遠ざかっていった。
でも、出会いって意識していない時の方があるのかもしれない。
仕事がらみのプロジェクトで新たに取引先になったとある会社の担当者。もちろん仕事なので、この人って運命のひと?なんて恋愛脳も動くわけもなく、さぁ一緒にしっかり仕事してきましょうねという感じのノリ。あたりまえ。
数か月一緒に仕事をしているうちに、とても波長が合う相手であり、お互いに気を遣わずに同じテンションで仕事ができるということに気づき、がぜん仕事が楽しくなってきた。でも、もちろん恋愛対象にはならない。なぜなら彼は左手の薬指に指輪をしていたから。
ある日のミーティング、3人で打ち合わせをする予定だったのだけれど、1人が直前でキャンセルになってしまい、彼と2人ですることになった。なんとなく少し喜んでいる自分自身に気づき、いかんいかんと諫め、仕事モードに。
かなり生産性のあるミーティングができ、お互いにテンション高く終了した時、不意に彼から食事に誘われた。今度2人でいきませんかと。
2人で行くとか、何もないのに疑われますよー。と笑いに変えつつも内心はかなりドキドキし、そしてこんな誘いには絶対に乗ってはいけないと、また自分を戒めた。
でもかなり動揺した。彼を好きになっている自分に気づいたから。